ヨガとピラティスは似ているようで、実は全く違う種類のエクササイズです。
起源(ルーツ)、呼吸法、効果、動きなどが違います。
結論から言うと、
ヨガは精神的なリラクゼーションと、
しなやかで柔軟性のある身体づくりが基となっているのに対し、
ピラティスはインナーマッスルを鍛え、骨盤や身体の歪みを矯正し、
正しい身体づくりが基になっています。
逆に、ヨガとピラティスともに共通している点は、どちらも身体と精神のバランスを整え、
心身ともに健康的な身体づくりを目指す点にあります。
そして、美容効果も高く、ダイエットとしても人気です。
ヨガとピラティスの理解を深め、自分の健康状態やライフスタイルに合わせて、
チョイスしていくとよいと思います。
ヨガもピラティスも両方するという方は、
呼吸法の違いによる神経系の働きに合わせて、
ピラティスは朝目覚めた時に、ヨガは夜寝る前に実践するのがおすすめです。
では次に、それぞれの項目について、ヨガとピラティスを比べてみたいと思います。
ヨガは古代インド発祥のヒンドゥー教の修行として行なわれたもので、
瞑想による精神統一を行ない、解脱への実践方法として体系づけられました。
精神面での安定やリラックス効果などに重点が置かれています。
近年では、伝統的なハタ・ヨーガにフィットネス等の要素を取り入れ
改良を加えたものがスポーツクラブなどで人気です。
ピラティスは、もともとはリハビリテーションのための
フィットネスプログラムとして開発されたものです。
1920年代、ドイツ人従軍看護師ジョセフ・ピラティスが、
第一次世界大戦の負傷兵のリハビリため、エアロビクスを元に開発したエクササイズです。
筋肉(インナーマッスル)を鍛えるとともに、骨の歪みを矯正し、
正しく効率的な身体をつくることに重点が置かれています。
腹式呼吸によって行ないます。基本は鼻から吸って口から吐きます。
腹式呼吸は胸郭(肋骨やその周辺の骨格)をなるべく動かさずに、腹筋などを使って
横隔膜を上下に動かすことで行なわれる呼吸です。
息を吸うとお腹がふくらみ、息を吐くとお腹がへこみます。
ヨガの呼吸法については、「ヨガの呼吸法」の章で詳しくご紹介します。
胸式呼吸によって行ないます。
胸式呼吸は、胸郭の肋骨についている肋間筋によって行われる呼吸です。
息を吸うと肋骨が大きく広がるため胸が膨らみ、息を吐くと胸がへこみます。
ヨガはポーズをとって静止をします。
瞑想や精神統一などのスピリチュアルなインストラクションを行なう場合もあります。
ヨガのポーズはとても多く、それぞれに効果・効能があります。
道具や器具は使用しません。
また、身体をストレッチすることに重点が置かれています。
ヨガにあるような瞑想などのスピリチュアルなインストラクションはありません。
ピラティスは常に体を動かしています。
ユガと同じように身体のストレッチとともに、筋肉(インナーマッスル)を鍛える動きをします。
でも、元々はリハビリのために開発されたプログラムなので、
動きはゆるやかで負荷も比較的小さく、老若男女問わず実践できるのが特徴です。
ベッドの上でも行うことができます。
また、マットレスやゴムバンド、ボールなどの器具や道具を用いる運動もあります。
特に筋肉の中でも様々な利点のあるインナーマッスルを効果的に鍛えることのできる方法です