ヨガの歴史~起源と始まり~

ヨガの歴史~起源と始まり~

ヨーガの起源

ヨーガの起源は明確にはされていませんが、紀元前2500年~紀元前1800年の
インダス文明からその起源をもつと言われています。

その説の要因の一つとして、世界遺産にも登録されている
インダス文明最大級の都市遺跡「モヘンジョ・ダロ(パキスタン)」から、
坐法を組んで瞑想する神像や、様々なポーズをとる陶器製の小さな像などが
発見されています。
また、結跏趺坐(けっかふざ)(瞑想する際の座法)するインダス文明のスタイルは印章にも刻まれています。

「ヨーガ」の始まり

ヨーガという語が見出される最も古い書物は、紀元前800年~紀元前500年の
「古ウパニシャッド初期」に成立した『タイッティリーヤ・ウパニシャッド』です。

ウパニシャッドとは、サンスクリット(古代~中世にかけて、インド亜大陸や東南アジアにおいて用いられていた言語)で書かれた一連の書物で、一般には奥義書と訳されています。

紀元前350年~紀元前300年頃に成立したとされる『カタ・ウパニシャッド』には、
『感官の確かな制御がヨーガである(『カタ・ウパニシャッド』6-11)』
というヨーガの最古の説明が記されています。

解脱について

解脱とは、ヒンドゥー教において用いられている究極的な意味合いにおいては、
サマーディに入定し、サンサーラの迷いの境界から脱することを指します。

サマーディ(Samādhi、仏教の漢訳:三昧(さんまい))
仏教における禅、ヒンドゥー教における瞑想において、
精神集中が深まりきった状態のこと。
サンサーラ(saMsAra、仏教の漢訳:輪廻(りんね))
生き物が死して後、生前の行為つまりカルマ(karman)の結果、
次の多様な生存となって生まれ変わること。
インドの思想では、限りなく生と死を繰り返す輪廻の生存を苦と見、
二度と再生を繰り返すことのない解脱を最高の理想としています。
カルマ(karman、業(ごう))
業(ごう)とは、仏教の基本的概念である(karman) を意訳したもの。
「行為」を意味し、中国、日本の思想にも影響を与えています。
業はその善悪に応じて果報を生じ、死によっても失われず、輪廻転生に伴って、
アートマン(意識の最も深い内側にある個の根源を意味する)に代々伝えられると
考えられていました。
アートマンを認めない無我の立場をとる思想では、
心の流れ(心相続)に付随するものとされました。
「ウパニシャッド」にもその思想は現れ、のちに一種の運命論となっています。
「ウパニシャッド」ではアートマンは不滅で、離脱後、各母体に入り、
心臓に宿るとされています。