腹式呼吸

腹式呼吸

腹式呼吸とは?

人が息を吸うには、横隔膜を収縮させて下げるか肋骨を開き広げて、
胸腔を広げる方法があります。

腹式呼吸は前者の方法で、胸郭(肋骨などからなる籠状の骨格)をなるべく動かさず、
横隔膜を引き下げて息を吸う呼吸のことを言います。
ちなみに、後者の肋骨を開いて息を吸う呼吸を胸式呼吸といいます。

腹式呼吸の原理を分かりやすく説明すると、

息をゆっくり深く吸う

肋骨を広げずに肺が大きく広がる

広がった肺に押されて横隔膜が押し下がる

押し下がった横隔膜に押されてお腹が膨らむ

というのが腹式呼吸です。

ですから、腹式呼吸では、息を吸うとお腹がふくらみ、息を吐くとお腹がへこみます。

腹式呼吸の効果・効能

副交感神経の働きを活発にさせ、リラックスさせる効果があります。
自律神経の調整がよくなり、気持ちが落ち着き、ゆったりとした気分になります。
すぐにイライラする、短気、ストレスなどの改善に役立ちます。
また、内臓のマッサージ効果、冷え症、便秘、生理不順などの改善に効果があります。

腹式呼吸はヨガでは一番基本となる呼吸法です。
日常生活の中でもすぐに実践できるので、例えば、デスクワークの合間、
電車を待っているホームで、家事の合間など、どんな時にもできます。

リラックス効果があるので、疲れた時などの息抜きに腹式呼吸を取り入れて
みるのもよいかもしれません。

また、冬の寒い季節や夏の冷房などで身体が冷えている時には、
腹式呼吸で身体が温まってきます。

身体の中心から手足の先まで「気」の流れを感じるように、
ゆっくりと呼吸しましょう。

腹式呼吸のやり方

最初、慣れないうちは、床に仰向けに寝転がって行なうのがよいでしょう。
お腹を手で押さえながらやると、お腹の動きが分かりやすいです。

両手をおへその上に乗せます。お腹の動きを手の平でしっかり感じるようにします。
おへそに意識を集中させ、鼻からゆっくりと息を吸い込み、
お腹に空気を溜めて膨らませます。

そしてお腹から空気を押しだすように、鼻からゆっくりと息を吐いて
お腹をへこませます。
息を吐いた時は、お腹がぺたんこになるようにします。

慣れないうちは、感覚が上手くつかめないかもしれません。
もし、上手くできない時は、手で押してサポートするとよいでしょう。

呼吸のリズムは、3秒で息を吸って、6秒かけてゆっくりと吐くイメージです。

次のページでは、「胸式呼吸」についてご紹介します。